医療DX推進体制整備加算について、2025年10月以降の取り扱いが示されました。
これにより2025年10月以降のマイナ保険証利用率の実績要件が提示されましたが、今回は2025年4月より設けられている小児科特例がどうなるのかについて、確認したいと思います。
小児科特例は、小児科外来診療料を算定している医療機関であって、かつ前年(2024年1月1日から同年12月31日まで)の延外来患者数のうち6歳未満の患者の割合が3割以上の医療機関が対象です。これを満たす医療機関は、医療DX推進体制整備加算3・6でマイナ保険証利用実績の要件が、2025年4月〜9月の期間は15%とされているところ、12%となります。
厚生労働省の公表資料によると、年齢階層別のマイナカードの保有率とマイナ保険証利用率も報告されています。マイナカードの保有率は0歳〜4歳では約5割と他の年齢層より2〜4割低く、マイナ保険証利用率は20歳未満が低い状況にあることが分かります。

また、小児科特例の届け出状況については、東京都の届出状況が参考資料として、下表のように提示されています。
医療機関数 | 割合 | |
---|---|---|
@ 医療DX推進体制整備加算の届け出医療機関数 | 7,074医療機関 | |
A @のうち小児科特例を届出している医療機関数 | 363医療機関 | 5.1% |
B Aのうちマイナ保険証利用率が12%以上15%未満の医療機関数 | 15医療機関 | 0.2% |
2025年7月23日に開催された厚生労働省の中央社会保険医療協議会の総会で、2025年10月以降のマイナ保険証利用実績の要件が設定されました(詳細は、前回の記事をご確認ください)。
このとき、上記の小児科特例について、「マイナ保険証利用率について、年齢階層別にみると、小児の利用率が成人と比較して低い状況が継続している。」として、「対応を継続する」ことが了承されています。
新しい要件は、2025年10月〜2026年2月と、2026年3月〜2026年5月の2つの時期に分け、下表のように2段階で設定されています。
適用時期 | 2025.10〜2026.2 | 2026.3〜2026.5 |
---|---|---|
利用率実績 | 2025.7〜 | 2025.12〜 |
加算3・6(原則) | 25% | 30% |
小児科特例 | 22% | 27% |
現在は、申請日に1歳未満の場合には顔写真なしのマイナンバーカードが交付され、5歳の誕生日まで利用ができます。また、将来的にはこども医療費の受給証もマイナカードと一体化することも計画されており、これらが進むと、小児科におけるマイナ保険証利用率も高まると期待されています。
さて次回は、医療DX推進体制整備加算等における電子カルテ情報共有サービスの導入要件について、今後の取り扱いがどうなるのかを確認したいと思います。
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